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閉口
 <アニメ『火垂るの墓』今年公開が取り消しに>

母が怒っている。
今日、何気なく実家に電話したら、母がもっとも熱く語ったトピックが『一連の韓中による反日運動』だった。普段夜のニュースの時間帯なんてコタツで居眠り真っ盛り、の母がだ。よっぽど日本でも報道されているんだろうなあと感じる。もちろん、私も豪州にいたって毎日日本と韓国の新聞はネットでチェックしているから、大体のことは把握しているつもりである。

どんな大義名分を主張しようが、人間の尊厳を奪い、踏みにじり、その生涯を一方的な暴力でねじ伏せた事実がある以上、そんな『大義』はゴミ以下だ。日本の戦後処理の甘さ、その後現在に至るまでの無能な外交のツケに、50年たった今になっても悩まされているのだということもわかっている。
それでも自分の国がぼろくそに叩かれているのを見ていい気はしない。
それに対して卑屈に開き直り差別用語全開で逆ギレするだけの日本人を見てもいい気はしない。
とにかくもっと冷静になれよ、と心の中で、韓国にも中国にもそしてイライラしている自分にも言い聞かせてきた。

そこに来て、今日朝鮮日報でこんな記事を目にしてしまった。
このところなぜかずっと不愉快だったのだけど、この記事がその漠然とした不愉快さに止めを刺した。

『日本を戦争の被害者として描いたアニメーション』
って、何。
『日本を』じゃなくて、『両親を失った兄妹を』でしょう。
戦争にはいろんな側面があるはず。よく韓国では『一部の心無い日本の右翼団体が』なんて表現をするけれど、全然『一部』なんて思っていやしない本心の現われじゃないの。日本人=自分達を陵辱した加害者、という目でしか見られないからこういう出来事が起こるんでしょう。実際に戦争したくて、人を殺したくて戦場に向かった日本人が何人いると思っているの。日本人の中には一人も戦争被害者がいないとでも思っているの。東京大空襲を、ひめゆり部隊を、神風特攻隊を知らないの。死にに行くとわかっていて万歳で見送らなければいけない家族の気持ち、死にたくないのに戦争に殺された若者の話、そしてこの映画を見たことがあるの。

そこに目を向けようともしないで『市民レベルの文化交流は続けていきたい』だなんて、笑わせる。文化って、何?自分達にとって口当たりがよくて、お金になるものだけが文化なの?


あきれた。
by たまきち | by tamakichy | 2005-04-12 00:39 | 韓国の話
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